コラム 自費出版な毎日…
7.2.1の法則に思うこと
出版界には「7.2.1の法則」と呼ばれるものがあります。新刊本を発行すると1年目に7割が売れて、2年目に2割、3年目に1割が売れるという法則です。
発行部数ではなくて、実売部数に対しての数字です。
先日、業界の集まりでこの法則を話題にした際、「それは昔の話で、最近では『8.2.0』ですよ。」などと返された、事実だと思う。それほど出版業界の現状は厳しい。
出版経営の立場からすると「本をつくっても売れるのは2年間だけで、3年目以降はあまり売れないのなら、絶版扱いにして、在庫も処分して新しい企画で本を作ろうか…」という考え方になるのは自然なこと。
合理的である。世の中の動きが速くなってきているから仕方ない。でも、発行後3年目以降にその本を読みたい人はどうすればよいのか?
そこで電子書籍の話です。iPadやスマートフォンでページをめくるあれのことです。
装丁や造本、紙の手触りなど本全体を味わいながら読書をする楽しみからすると、なんだ味気ないと感じてしまう。
仕事では、好き嫌い言っていられないので、使ったりePubなども作ったりしているので、食わず嫌いではないです。
そんな印象の電子書籍でも、絶版がないというこの一点においては電子書籍の役割は大きいと思います。紙の本と違って在庫をかかえる必要がないですからね。出版社の経営にとってもこの点はいいですよ。
オンデマンドというのもありますが、オンデマンド出版の場合でもある程度の部数が注文されないと再販することはできません。
そんな電子書籍ですけど、それでも「どうしてPDFではいけないの? WEBページでは伝えられないの? 」などと、つっこみたくなるのですけども…。
2014.02.09